AFPとCFPでは学びのレベルがかなり違い、CFPでは税金や社会保険、不動産、相続、金融商品など、それぞれがかなり専門的な内容になっていたと思う。だからと言って、税理士や社労士等の国家資格がすぐにでも取れるほどのレベルではないにせよ、全ての分野に長けている必要はなく、その中から一つぐらいは更に専門的に学び国家資格を持っておけば強みにはなる気がしたのだ。そこで、無謀ながらも当時から合格率が最も低かった、社会保険労務士資格の取得を目指す事にしたのだ。
それまでも往復の通勤時間を活用して勉強を続けていた習慣があったので、その点は問題なかったのだが、流石に国家資格レベルとなるとその程度の勉強時間では追いつかない事が、受検概要を調べていくうちに判明してきたのだ。しかも、労働法や労働基準法等の法律が絡み、それまでの知識を得る勉強とは少し趣きが違うため、独学にするか資格学校を活用するかを検討した結果、時間効率や自分の知識量等を総合的に勘案して、学校に通う事にしたのだ。
それまで、土日祝もお客様都合によっては仕事が入る事もあったのだが、そこは割り切って仕事は平日だけにアポイントを入れるように工夫して、キチンと休日が確保できるようにした。そして、休日は朝から夕方まで出来るだけ学校で授業を受けるとともに、その往復や帰宅後も勉強を続けていた。とは言え、子どもがまだ小さかった事もあり、時には家族サービスも入れて息抜きはしながらだったと思う。ただ、過去問による対策を行ってもいたが、合格率数パーセントと低いだけの事はあり、中々手に負えず、正直手をこまねいていた。
そして迎えた資格試験日、確か真夏の暑い日に大学を借り切って多くの受検者の一員として挑んだのだが、全く出来たという感覚が得られないままに終えてしまったのだ。ほぼ1年を費やしながら、わずか1日だけのマークシート形式の試験で、受検とはこんなものではあるが、たった1点違いでも線引きされる事になるのはある意味残酷であり、スリルなのだ。そしてその結果は、矢張りというか本当に残念ながら、その1点差で不合格だったのだ。1点に泣く事になる方は相当数居るはずではあるものの、後から考えればいくらでも言い訳が出て来るのだが、全ては後の祭りなのだ。さあ、ここでもう諦めるのも良し、来年に向けて新たな一歩を踏み出すのも良し、岐路で立ち止まる日々が暫く続いた。