学校には行かずに社労士資格の取得を目指す事にしたものの、勉強量は落とさず集中できる環境を必要とするため、休日は最寄りの図書館の自習室を利用するようにした。ただ、それ程座席数がある訳でもないため、開館と同時に学生等の利用者で直ぐに満席になってしまうのだった。そこで開館前から並んで座席を確保する必要があった。ただ、座席での食事はできず、トイレ以外で座席を空けた状態で場所取りする事は禁じられていたため、昼食を摂るには一旦席を空けざるを得ず、戻って来た時に席が空いている保証はなく、座席確保のための苦労が絶えなかった。

家では小さな子が居たので中々集中できず、図書館が最適な場所である以上、座席が確保できない時は、別の場所を探すために移動するなど余計な時間を取られるのが本当に勿体なかった。そういう意味では学校は授業も受けられるし、自習室も整っていたので、非常に有難い環境だったのだ。後悔したところで、独学での挑戦を選んだのだから、工夫しながら勉強時間の確保に努めるようにした。その間、仕事の方は平日のみの勤務を続ける事が出来ていたし、有難い事に成果もそれなりに出ていて、それに連動して給与も上げていただいたり、順調に行っていた事は救いだった。

仕事ではFP資格が活かせるように証券分析から家計の見直し、保険の見直しに繋がるよう、様々な取り組みをしながら、知識のブラッシュアップと経験を重ねていたものの、コミュニケーション力の無さを克服するための学びの必要性を感じるようになっていた。ただ、アレもコレも手を出すほど器用ではないため、何となくモヤモヤした日々を過ごしていた気がする。往復の通勤時間や帰宅後、休日の図書館等での勉強という習慣自体は崩さなかったものの、その中身の集中力を欠いてしまい、ただ読み流しているだけになっていた。

実務経験がないだけに法律と実務とが中々繋がらず、言葉の微妙な使い方の違いに振り回されるなど、あらゆる疑問に自分で答えを探す必要に迫られていた。勿論、その事自体が学びになるとは言え、独学の限界に直面していたのだ。刻々と迫る限られた時間との闘いは、次第に焦りと諦めが交錯するネガティブな感情に苛まれる日々でもあったのだ。そして結局のところ、2年目の再挑戦も手ごたえはなく、1点差であえなく不合格だったのだ。たかが1点されど1点に泣き、またしても1年間の様々な苦労が実る事なく、積み上げてきたはずの知識や学びが開花する事もなかったのだ。残念というよりも、ただガックリと肩を落としたままの放心状態に陥っていた。

By hb

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