色々なことがあるものですが、時間と同じように後ろに戻せる訳ではありませんので、何があっても兎に角一歩ずつ前に進むしかないというのが平等に与えられた定め。一人でこなすには相当にハードな仕事量になってきていたものの、もう二度と人を雇用する気はなかったので、一人でこなせる範囲で仕事を請け負えば良いという考え方になっていた。それでも、一人でこなしているうちに、様々な工夫や知恵も出て来るので、徐々に効率よく処理できるようになるものだし、逆に負荷をかけることで、工夫や知恵は生まれるのではないかと思うぐらいだ。

だから、特に制限することなく、新規の獲得を止めることもなく、既存顧客からの様々なご要望にもノーという答えをすることもほとんど無かったと思う。まずは即答でイエス。そのあとで分からないことがあったとしても確認したり勉強すればできるものだ。それでもどうしても分からなければ、恥を忍んで同業の経験者に聞けばいいのだ。ある時、どうしても答えが出ないというか、問題を抱えることがあり、悩みに悩んでも埒が明かないことがあった。人事や労務においては、法律と実態との乖離が生じるケースが良くあるし、様々なご事情で完璧には法律に対処できないケースもあるからだ。

そこで、先方は全くコチラに対する面識はないものの、自分は先方のブログを読んで知っているだけの同じ支部の中ではかなり経験もあり相当ご活躍されている先輩の社労士に、思い切って相談に行ったのだ。勿論事前に電話でアポイントはとり、手土産を抱えて採用面接に臨むような緊張感の中で相談しに行ったのだ。そうすると、あっさりと「自分も同じことで悩んでいる。」と仰られたのだ。まさに、頭をガーンと殴られた感覚だった。そういうことだったのかと、気軽に安易に相談に来てしまったことを悔やんだ瞬間だった。

自分が分からないことを分かりそうな方に聞いて教えてもらおうという事自体が浅墓なことだったのだ。みんな悩みながら、苦しみながら、それでもクライアントが少しでも良くなるようにするにはどうすればいいかを常に模索しながら、自問自答しながら、問題に向き合いながら、何とか答えを見出そうとしているのだった。かと言ってそそくさと帰るのも失礼かと思い、自分なりに提供できる情報は提供させていただき、世間話をしてそれなりにその場を凌いで辞すことにした。そして、再び問題と向き合いながら、自分なりのその時点での答えを出したうえで、何とか乗り切ることができたのだ。それは、思い切って飛び込んで聞きに行ったからこそ、そのことが腑に落ちたのだから、矢張りその先生のお陰であることには違いなく本当に感謝しかないのだ。

By hb

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