会社と社員との関係が上手くいかないケースは、どこの会社でも有り得ることだし、人と人との関係においては、合うとか合わないなど相性の問題が有る事は仕方のない事だ。ただ、猫の手も借りたい程に人手不足で困っている場合において、採用時の書類審査や面接などに余り手間暇をかけず、直ぐにでも来てくれたら良いと、気軽に採用してしまうと後が大変になるのだ。採用決定する前に、人となりや、会社の理念や方針をはじめ、社長の考えへの理解が有りそうか、相性が合いそうかどうかを見極めておかないと、後で悩み苦しむケースは枚挙にいとまがないのだ。
つまり、最初こそが肝心要になるので、採用後に教育すれば良いとは思わないようにしておく事が何より重要となり、採用前の見極めが如何に大切かを肝に銘じておきたいものだ。仕事なんだから知識や技術、経験、資格などを重視して、後は郷に入れば郷に従えで教育すれば良いと考えて採用してしまわない事がポイントだ。そうしておかないと、その後に関係が悪化したり、ミスマッチが判明したりしても、日本では社会通念上合理的な理由に相当しない限り解雇がし難いという法律上の問題をクリアするのは、かなり神経をすり減らす事になるのだ。
ですから、第一印象や直感に頼るのはどうかと思う必要は全くなく、ある程度対話をしたうえで、明るく素直で前向きにチャレンジできるか、どのようなマインドを持っているか、レスポンスの速さはどうか、ギバー傾向かテイカー傾向かなどについて、直感を大事にしつつ見るべきポイントは押さえておく事を怠らない方が無難だ。逆に言うと、ココを怠ると、仕事とは関係のない人間関係のところで、余計な心配や悩みを抱える事になり兼ねないのだ。しかも、相手に非があるにも関わらず、ついつい自分の人間力や指導力、コミュニケーション力に問題があるからではないかと自分を責めてしまう場合もよくあるのだ。
自分が変わることで相手に良い影響を与えられる可能性は無きにしも非ずではあるが、そもそもの信頼関係ができていない段階においては、何を言ったところでどんな手本を示したところで、人の行動や意思を思い通りに変える事はできないものだ。であるならば、一緒に働く事を想像した時に違和感なく、明るく楽しく前向きに一つの目的に向かって取り組む事が出来そうか否か、信頼関係を築きたいと思える人物かどうかを最初に判断しておく方が、ストレスを限りなく減らす事に繋がるものなのだ。