FP会社としては法人顧客を中心に受託しつつ、更にFP向けの継続教育研修を受託するご縁をいただいた。FP資格を更新するには2年間にAFPは15単位、CFPは30単位を取得する義務があり、資格を維持するにはそれなりの学びを継続していく必要があるのだ。継続要件には様々なものがあり、例えば、通信教育で学ぶものがあったり、通学講座を受講するものがあったり、執筆や講師を行うなどだ。

その中の通学講座を開講している会社が、講師の派遣会社に依頼をするケースがあり、その講師派遣会社に登録をしていたところ、お声掛けをいただくようになったのだ。と言ってもいきなり講師が出来るほどのスキルを培っていた訳ではなかったので、研修を受講することにしたのだ。色々とノウハウを教えてもらえると思っていたところ、事前に模擬講義のテーマ設定とレジュメの提出を求められた。それは、1コマ50分の講義を3コマ分だった。

もちろん、事前に準備のためレジュメに添ってどのように話を組み立てて話していくかなどを、レジュメにメモしたり、別紙に詳しく資料を用意したりするなどしていたのだ。ところが、研修当日50分間の模擬講義をするにあたり、どのコマを話すかは研修の先生が直前に指定する事になっていて、しかも配布用のレジュメ以外は何も見ずに、かつ50分間経過するとストップがかかる仕組みで話を進めるように伝えられたのだ。まさかいきなり、用意したメモも見ずにどのコマの50分間もわからないなかで出来るのか?と思いつつ、逃げる訳にもいかず、あっという間に自分の番が回ってきてしまった。

兎に角腹を括り、どのようなメモをしたかを思い出しながら、レジュメを主体に知識を総動員して指定されたコマについて話し始め、必死に話し続けた。途中時計を気にしながら、1つのコマがぴったりと50分間になるようにテーマごとの時間配分も意識しながら、途切れさせることなく何とかやり切ったところで、ほぼぴったりの時間におさめる事ができた時にはホッとしたものだ。まさに人間は、背水の陣で臨めば、何とかせざるを得ない為に、何とかするものなのだという事を実感する出来事だった。

By hb

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