講師研修を1回受けただけだったにも関わらず、何故かその後直ぐにお声掛けをいただき、まずは既に講師としてFPの継続教育研修を任されている方の講座に参加する事を勧められた。通常であれば自分もFPとしてお金を払って参加すべき講座であり、コチラは更に講師の勉強もさせてもらえるのだが、何と特に支払を求められることもなく参加させて下さったのだ。普通の参加者のフリをしながら、研修の具体的な進め方を間近で見る事ができたのは大変勉強になった。

そのような機会を3~4回経た頃、今度は研修の受付業務を兼ねる事をご提案下さり、受付業務としての報酬をいただきながら、そのまま研修にも参加し続けて、矢張り勉強を兼ねられるご配慮をいただいた。そんなある日、体調不良で講師業が続けられなくなった方が出てしまい、その代役として講師業務の依頼をいただく事になったのだ。まさかこんな直ぐにチャンスが来るとは思っていなかったのだが、断る理由もないので、即答で受託した。とは言え、よくよく聞いてみると、体調不良で講師業が続けられなくなった方というのは、講師としてのプレッシャーに耐えられなくなったからのようだったのだ。

FPの講師は、基本的にお金の専門家として幅広い知識と経験を元に、それなりに金融や保険、税金、不動産、相続、リタイヤメントなど、どのようなテーマにも広く浅くは触れているものの、それぞれに得意分野があり、当然その逆もあるのだ。そして、FP継続教育研修を担うと言っても、テーマの設定次第では全く集客できない事となるのだ。つまり、自分が得意な分野の話がそのまま集客に繋がれば良いのだが、そうとは限らず、それがそのまま自己の評価や報酬にも直結してくるのだ。

更に、テーマ設定が時機を得たものであったとしても、タイトルの付け方や研修概要の見せ方によっても集客に影響するため、ただ単にFPにまつわる知識や情報を持っているだけではなく、常にFPが何に関心を持っているのか、世間がFPに何を求めているのかなどへもアンテナを立てておく必要があるのだ。そして、キャッチコピー力とともに、自分が話せる事だけをテーマにするのではなく、ニーズを満たすためには、政治や経済、金融、法改正など、時代の流れにも逆らわず、むしろ先取りして学び、深掘りして研修という商品として価値を提供できる状態に仕上げていく事の繰り返しなのだ。なので、情報を全く持っていない無の状態から、FPという学び続ける同業者に対して、付加価値を提供できる研修に仕上げなければならないというプレッシャーに常に晒される事になるのだ。

By hb

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